第二種電気工事士の技能試験は筆記試験に合格、または免除された方が受けられる試験です。
筆記試験は受けなくても、技能試験は受ける必要があります。
技能試験では出題された問題を制限時間内に、配布された材料を工具で実際に回路を制作する試験です。
試験では材料は配布されますが、工具の貸し出しはありませんので、自分で必要な工具を揃えて持ち込まなければなりません。
この記事ではこれから第二種電気工事士の技能試験に向けて準備をすすめている方に、技能試験に必要な工具の解説をしています。
- 工具はバラバラに買っても大丈夫?
- おすすめのセットはあるの?
これから購入を考えている方は、購入の参考にしてください。
第二種電気工事士 技能試験指定工具とは
電気技術者試験センターから配布されている受験案内には実技試験時の指定工具が記載されています。
[ 指定工具 ] ペンチ、ドライバ(プラス、マイナス)、ナイフ、スケール、ウォータポンププライヤ 及びリングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997適合品)
引用:第二種電気工事士試験 令和元年下期 筆記試験受験者用 受験案内 19ページより
実技試験に最低限必要な工具で、必ず持参するよう案内されています。
問題によっては全ての工具が必要ではない場合もありますが、公表問題のどの問題が出題されるかわからないので、工具は全て持っていくことをおすすめします。
技能試験のおすすめ工具セット DK-28
初めて第二種電気工事士の試験に挑戦するときには、どの工具を買えば良いのかわからないと思いますが、私はHOZANの電気工事士技能試験用工具セットを購入をおすすめしています。
HOZANの電気工事士技能試験用工具セットをおすすめしているのには理由があります。
- 技能試験指定工具が含まれている
- セットで購入するほうがバラバラに購入するよりもコスパが良い
私も受験したときにこの工具セットを購入して合格できました。
持ち運び用の工具袋も付いていますので、試験会場への持ち運びにも便利です。
さらに、試験練習に役に立つオリジナルハンドブックも付いていますので、技能試験の練習でも役に立つアイテムです。
セット内容
HOZAN電気工事士技能試験用工具セットには8つの工具が入っています。
- VVFストリッパー P-958
- プラスドライバー No.2
- マイナスドライバー 5.5
- ペンチ P-43-175
- ウォーターポンププライヤー P-244
- 圧着工具 P-737
- 電工ナイフ
- 布尺
これ以外に、すべての道具を収納するための工具袋と技能試験対策ハンドブックが付いてきます。
VVFストリッパー P-958
いまやこのVVFストリッパー無しで電気工事士試験に望むなんて、GoogleMapを使わずに知らない土地を旅行するようなものです。
時間に余裕があるなら道に迷うのも楽しめますが、第二種電気工事士の実技試験は40分しか時間がありません。
VVFストリッパーは短い試験時間を最大限使うために必要な工具です。
昔の電気工事士の試験では電工ナイフを使い、ケーブルの被覆(電線を保護するための絶縁体)を剥いて作業をしていました。
電工ナイフの使い方を熟練工なみにマスターしなければ芯線を傷つけないように被覆を剥く事は難しいですし、作業時間がかかってしまいます。
VVFストリッパーストリッパーは被覆剥きの他にも、ケーブルの長さの計測、ケーブルの切断、電線を掴むことができるので実技試験の作業のうち半分以上の作業をこなすことができます。
電工ナイフで被覆剥きの作業をしているとナイフを持ち替えたり、ケーブルの方向を変えたり、切れ目を入れた被覆をペンチで剥いだりと被覆をむくだけでも2種類の道具を持ち替えながら作業します。
VVFストリッパーだけで多くの作業がこなせるということは工具を持ち変える必要がないので、それだけで時間の短縮ができます。
電気工事配線にはVVFケーブルがよく使われます。第二種電気工事士の作業範囲の低圧屋内配線では1.6mmの芯線が2本もしくは3本、2mmの芯線で2本もしくは3本の電線がよく使われます。
4種類の電線の外側の被覆を簡単に剥ける刃が付いています。
外装被覆を剥きたいケーブルを指定の位置で挟むだけで被膜に切れ目が入りますので、後はストリッパーをスライドさせて引き抜くだけで外装被覆が剥けます。
芯線の被覆をむきたい場合は先端部の刃にケーブルをあわせてVVFストリッパーを握りしめると
被覆だけに切れ目が入るので、外装被覆と同じ様にストリッパーを先端方向にスライドさせると被覆が剥けます。
確実に正確に素早く作業ができる、便利な道具だよ。
ちなみに根元側にケーブル切断用の刃が付いています。
2mm3芯のVVFケーブルでもテコの原理で少ない力で切れるようになっています。
わざわざケーブルカッターやペンチを使わなくてもケーブルの切断ができるのでこれも便利です。
VVFケーブルストリッパーには目盛りが印刷されています。ケーブルのストリップ(被覆を剥くこと)のときに長さを図れるようになっています。
外装被覆を剥くときは長い目盛りを使いってVVFストリッパーの先端から長さを測り、芯線を露出させるためには細かい目盛りを使います。
VVFストリッパーの表面・裏面で異なる目盛りが書かれているのは、わざわざ持ち替えずに手首を返すだけで使い分けできるようにするためで、HOZAN社の工夫ではないでしょうか。
VVFストリッパーをつかって技能試験に必ず出てくる「の」の字曲げ(輪作り)をする解説記事で、実際に目盛りを使った作業を解説しています。
使い易く・時間短縮に効果のある「電気工事士試験必須道具」と呼ばれているだけの事はあります。
プラスドライバーNo2、マイナスドライバー5.5
プラスドライバーとマイナスドライバーですが、ただのドライバーではなく電気工事士試験に最適なドライバーです。
2本のドライバーの色の違いは温度に例えると覚えやすいですね。
- 熱い温度をイメージさせる赤はプラス
- 寒い温度をイメージさせる青はマイナス
見た目で覚えておくと良いです。個別にドライバーを買うときも判断しやすいのものを購入すると良いですね。
プラスドライバー No.2
プラスドライバーの「No2」とは刃先のサイズを表しています。
プラスドライバーの刃先にはNo.0〜No.3までの4種類の規格があり、それぞれネジの太さで適合するサイズが規定されています。
一般的に多いと言われているのが「No.2」のサイズで、ランプレセプタクルや露出型コンセントなどで使われているネジのサイズが「No.2」です。
適合したサイズのドライバーを使わなかった場合、回している最中に刃先がぐらついてうまく回せなかったり、手を滑らせたりすることもあります。
ネジ山がつぶれたりなめてしまいネジが回せなくなってしまいます。
電気工事士技能試験用工具セットに入っているNo.2のサイズのドライバーは、試験で出題される材料のネジを外したり、締めたりするのに問題なく使える工具です。
マイナスドライバー 5.5mm
プラスドライバーだけでなく、マイナスドライバーにも試験の事を考えられた工夫がされています。
マイナスドライバーの5.5とは刃先の幅を表していて、マイナスドライバーの軸にも記載があり、幅5.5mmになっています。
幅がもっと大きなマイナスドライバーでもネジを締めるときに問題はないのですが、この「マイナスドライバー5.5mm」が威力を発揮するのは、スイッチなどの配線を外すときです。
タンブラスイッチやコンセントは裏からにケーブルを差し込み接続しますが、一度差し込んだら簡単に抜けないようロック機構がついています。
配線を抜く場合には、裏側にある「電線外し穴」にマイナスドライバーなどの平らなものを強く差し込みロックを解除解除する必要があります。
幅が大きすフィルと差し込めないので、電線外し穴に差し込むサイズとして幅5.5mmがちょうどよいのです。
ペンチ P-43-175
ペンチはおもに電線の折り曲げや切断に利用します。VVFケーブルストリッパーでほぼ事足りてしまいますのであまり使うことはありませんでした。
全体の長さは20センチ弱、幅は1.3センチです。さほど大きいサイズではないです。普通のペンチです。
人によってはこのペンチでのの字曲げをする方もいらっしゃいます。
ウォーターポンププライヤ P-244
水道工事で使われることが多い工具でパイプ、配管やボルトを掴むために利用します。
多段階に掴む口の広さを変えられるので細い管から太い管まで対応できるのがウォーターポンププライヤの特徴です。
実技試験では試験問題11番で出題されるアウトレットボックスにねじなし電線管を接続するときに使うことが多いですが、それ以外の試験問題によっては使うことはありません。
圧着工具 P-737
2021年のセットからP-738という工具に変更になっています。
圧着工具は全ての実技試験問題で使うリングスリーブを圧着するための工具です。
他の道具は代わりがきくものがありますが、圧着工具はないと絶対に作業できません。
個別に工具を購入する場合でも、必ず用意してください。
電線を差し込んだリングスリーブをこの圧着器で挟み込み、圧力をかけて潰して電線同士をくっつけます。
電線の太さと本数によってリングスリーブのサイズが決まっていて、圧着した後はリングスリーブに刻印がつくようになっています。
圧着工具 P-737は中サイズまでのリングスリーブに対応したミニサイズです。リングスリーブは「小」「中」「大」の3種類あるのですが、実技試験には「大」のリングスリーブは出題されないので「中」までに対応したミニサイズで問題ありません。
圧着工具は実技試験で使う工具の中で唯一JIS規格に適合したものを使わなければいけません。JIS C9711:1982・1990・1997の規格のものでグリップの色が黄色の圧着工具が必要です。
もちろんP-737は規格に適合した工具です。
HOZANの工具は青いものが多いのですが、P-737だけが電気工事士技能試験用工具セットのなかで唯一黄色い工具なので不思議に思ったかと思います。
JIS規格に適合したものなのでグリップが黄色なのです。
P-737はグリップを広げたときに最大20センチほどの幅になります。
広げた状態からリングスリーブを挟み込んで圧着していきますが、大人の男性が手を広げた状態でもなかなかに掴みにくい大きさになります。
また圧着していくため締めていく作業も握力が必要です。
リングスリーブは実技試験の全ての問題に出てくる作業です。欠陥になりやすい作業でもありますので何度も練習して工具を使いこなすようにしましょう。
圧着ペンチのみを購入するときの参考に各社の圧着ペンチの比較をしています。
電工ナイフ
電気工事用のナイフになりますが、試験では使う機会が少なくなってきています。
二つ折りになって刃が収納されるフォールディングナイフのようですが、一般的なナイフとは異なり切っ先が鋭くなっていません。
刺すことは目的としてはいなくて、どちらかと言うと被覆を切り裂いたり剥きやすく傷を入れたりすることが目的なので形がずんぐりむっくりな印象になっています。
一応指定工具ですがVVFストリッパーで作業をカバーできるので、試験では使いませんでした。
2021年のセットではナイフが新しい「Z-680」という電工ナイフに変更されています。
布尺
布製のメジャーです。
試験当日は定規とメジャーを持っていったので、使いませんでした。
実は練習に大活躍する特典ミニブック
工具ではないですが、技能試験の候補問題13問の解説をしてある特典ミニブックが付いています。
特典ミニブックには以下の内容が記載してあります。
- 電線の種類(写真と名前)
- 器具の種類(写真と名前)
- リングスリーブの本数と刻印サイズ一覧
- 被覆をストリップする長さの一覧
- 全13問の単線図、問題に必要な電線・器具の一覧、複線図、完成写真
練習には欠かせない情報満載のミニブックです。
特典ミニブックを活用して練習
ミニブックには技能試験の公表問題全13問の単線図・必要な電線・材料器具が掲載してあります。
技能試験の練習するときは単線図と必要な材料のページを見て準備と回路制作をして、複線図と完成写真で出来上がりをチェックしていけば、候補問題の練習ができます。
実際の販売金額を比較
実際に販売されているHOZAN DK-28の販売価格を調査比較してみました。
ショップ | 価格 | 送料 |
---|---|---|
Amazon | ¥12,001 | 無料 |
楽天市場 | ¥12,320 | 無料 |
Yahooショッピング | ¥12,312 | 無料 |
HOZAN公式 | ¥19,250 | 参考価格 |
実際の購入の際には各ショップの金額を確認のうえご購入ください。
また、販売店舗によっては送料がかかる場合もありますのでご注意ください。
電気工事士工具セット購入の良い点・惜しい点
HOZANの工具をセットで購入するメリットは大きいですが、デメリットもあります。
良い点
- 道具をそろえる手間がかからない
- 金額を抑えることができる
- 特典ハンドブックがついている
ホームセンターでもVVFストリッパーや圧着工具を購入することはできます。
ですが、売り切れていたり販売していない場合もあるので、ホームセンターを回って工具を探したり問い合わせしたりする時間と費用を考えると手間がかからず道具を揃えられることはメリットです。
すべての工具を揃えるには金額もかかるので、セット商品は便利です。
また、HOZANのDK-28には特典ハンドブックがついているので練習に必要なものはいっぺんに揃います。
惜しい点
- 不要な道具も含まれている場合がある
- 高性能・高品質の道具ではない
すでに工具をたくさん持っている方は、持っている工具がセット商品にあるかもしれませんね。
また、セット商品に含まれている工具は高級品/高機能品ではありません。
例えば圧着工具はリングスリーブ小・中までしか圧着できないミニ圧着タイプなので、リングスリーブ大まで求めている場合には機能不足ですね。
皆さんがご自身で持っている工具と見比べてセットで購入するか、個別に買うかを判断してください。
工具セット以外のオススメ工具
試験の必須工具+VVFストリッパーは最低限必要な工具です。それ以外にも技能試験の合格率を上げる工具があります。
合格クリップ
合格クリップはHOZAN社が発売している結線する電線を一時的に固定する工具です。
ほかにもプレート外しや合格マルチツールも時間短縮には役に立つので一緒に購入すると良いでしょう。
最低でも筆記試験直後には買うべし
技能試験の練習は筆記試験と違って実際に回路を作らなければいけません。
回路を作る練習には時間を掛けて置く必要があります。
筆記試験終了後には練習用の材料と合わせて購入するようにしましょう。
多くの方が第二種電気工事士の試験を受験されるので、早めに購入しておかないと品切れや配送遅れ、高額化が発生します。
DK-28の口コミ評判
当サイトでも口コミを独自に集計していますので、よろしければ以下に記入くださいませ。
\平均評価/
絶対に買うべき
電工二種にスムーズに合格するためには絶対必要です。買っておいて損することはない。
\絶賛募集中/
第二種電気工事士試験の工具についてのよくある質問
まとめ
第二種電気工事士 技能試験では40分という短い時間で出題された問題の回路を作らなくてはいけません。
そのための道具、特にVVFケーブルストリッパーは時間短縮に役に立ちますし、実際の電気工事のときにも使える有能な工具です。合格したあとの普段使いの道具としても活躍しています。
実際に使ってみてHOZAN(ホーザン)の電気工事士技能試験工具セットなしでは技能試験に合格できていなかったと思います。
いまならAmazon限定でDVD付きの商品も販売されています。動画も見ながら作り方を練習したい方にはDVD付きが良いでしょう。
DK-28を買っておけば指定工具も含まれていて、工具を揃える費用も抑えられるので是非購入して第二種電気工事士の試験に合格してください。
筆記試験の目処が立ったら、工具と練習用の材料を準備して実技練習だぞ
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