第二種電気工事士の一次試験である学科試験は、令和5年(2023年)度上期からCBT試験と従来どおりの筆記試験の2パターンでの受験が可能になりました。
CBT試験って何?
コンピューターを使って受ける試験のことだよ。
メリットもデメリットも両方あるので解説するよ。
第二種電気工事士の学科試験CBT試験でも筆記試験でも出題形式は同じで、全50問4択の試験で30問の正解が合格です。
この記事では第二種電気工事士の学科試験のCBT試験のメリット・デメリットをまとめています。
これから第二種電気工事士試験を受験予定の方で、学科試験をCBT方式なのか筆記方式なのか決めきれていない方は、この記事を参考にしてください。
CBT方式の試験とは
CBTとは、Computer Based Testingの略で、コンピューターを使用して行われる試験です。この方式では、受験者はコンピューター上で試験問題をみて、回答を選択もしくは入力します。
一般的なCBT 試験には、次のような特長があります。
- 試験問題はコンピューター画面上に表示
- マウスやキーボードを使用して試験題目に答えます。
- 試験の結果がすぐに分かる
CBT方式の試験は、自宅のパソコンからインターネットを通じて受験する場合や、指定された会場に出向いて受験する場合があります。
第二種電気工事士のCBT試験の場合は、全国に設定された会場に行き、用意されている端末を使い受験する方式が採用されています。
CBT方式を採用している資格
日本国内の資格で、すでにCBT方式を採用している試験はいくつもあります。その中でも代表的なものを以下に紹介します。
- ITパスポート試験
- 秘書検定
- 日商簿記
- 実用英語技能検定
- 税理士試験
試験のリモート方式や会場受験方式など、受験方法は様々ですが多くの試験で採用されてきています。
CBT試験のメリット
第二種電気工事士の学科試験をCBT方式で受験する場合のメリットをまとめました。
受験する日時を自由に選択できる
CBT方式の試験では、受験できる期間内に任意の試験会場(全国で約200箇所)で試験を受けることができます。
今までの筆記試験形式では試験日が全国統一だったので、試験日は指定されていました。
CBT方式では自分が試験を受ける日時を決めることができるので、予定の調整がしやすくなっています。
また試験の3日前であれば、会場・試験日時の変更(一部条件有り)が可能なので、予定の変更にも対応できます。
令和5年の学科試験(CBT方式)の受験期間
- 上期 2023年4月24日(月) 〜 5月11日(木)
- 下期 2023年9月25日(月)〜 10月12日(木)
試験結果がすぐに分かる
いままでの筆記試験方式では、試験合否が正式に判明するまでに約1ヶ月必要でした。(自己採点であれば翌日に判明)
CBT方式であれば、試験終了時に結果判定されるので、試験結果がすぐ分かります。
また、正式な結果を1ヶ月待たないとわからない筆記試験に比べると不安な気持ちが無いので、少ないストレスで過ごせますね。
技能試験までの準備期間が長い
第二種電気工事士の学科試験のCBT方式は、筆記試験方式よりも前に試験期間が設定されています。
技能試験は、どちらの学科試験を受験しても同じ試験日程なので、CBT方式で合格していれば技能試験までの長い期間を確保できることになります。
技能試験は付け焼き刃で対策できるものではないので、CBT方式なら練習期間が確保できるので安心です。
CBT方式のデメリット
第二種電気工事士の学科試験をCBT方式で受験する場合のデメリットをまとめました。
試験問題が見渡せない
コンピュータ上で問題を選択して回答する方法では、紙の試験問題のように「どんな問題があるのか」、「解けそうな問題はどれか」と試験問題全体をサッと見渡すことが出来ません。
試験問題は頭から解く必要はなく、解けそうな問題から解いていっても問題ありませんが、問題を見渡すことが出来ないので、得点が稼げそうな問題を先に回答していくこともできません。
問題を1問1問確認していっていたら時間を無駄に使いますし、問題を見ることで脳みそを使ってしまい疲労してしまう可能性があります。
今までの過去問は筆記方式なので筆記問題の解き方を問題用紙に描いて解くことに慣れている場合には、無理してCBT方式で受験しなくても良いと思います。
図面問題が見えにくい/解きにくい
第二種電気工事士の学科試験には配線図から読み取って回答しなければいけない問題があります。
CBT方式ではディスプレイ上に問題が表示されるので、配線図が小さかったり、拡大してしまうと全体を見通しにくくなります。
問題用紙であれば、図面に書き込むこともできるので考えやすいのですが、画面上に表示された単線図を複線図に書き直すのは、練習をしておかないと苦労します。
CBTパイロットテストの際にはA4の紙が1枚支給されたので、複線図を描いて問題を解きました。おそらく同様に紙が支給されると思いますが、PCの画面をみながら複線図を書く練習をしておきましょう。
申込みから試験までの期間が短い
第二種電気工事士の申込期間の後、CBT試験、筆記試験の順番に実施されます。
CBT方式は申込期間の約20日後に始まり、CBT試験期間の約20日後に筆記試験が実施されます。
令和5年の上期 学科試験日程
申込期間 | 2023年3月20日(月) 〜 4月6日(木) |
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学科試験日程(CBT方式) | 2023年4月24日(月) 〜 5月11日(木) |
学科試験日程(筆記方式) | 2023年5月28日(日) |
令和5年の下期 学科試験日程
申込期間 | 2023年8月21日(月)〜 9月7日(木) |
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学科試験(CBT方式) | 2023年9月25日(月)〜 10月12日(木) |
学科試験(筆記方式) | 2023年10月29日(日) |
筆記試験の対策を始める時期にもよりますが、申込時点で学科試験対策ができていないと、CBT試験は合格できません。
申込み段階で学科試験の勉強の進み具合を見て、得点が取れそうならCBT試験、まだなら筆記試験を受けるようにしましょう。
持ち込めるものが厳密に制限される
ティッシュやハンカチの持ち込みも制限されるので、鼻炎や花粉症で鼻水が出ても吹くことが出来ず試験に集中できない可能性があります。
CBT試験では、実際の試験を受ける部屋に持ち込める物が制限され、それ以外は備え付けのロッカーに入れるよう求められます。
私が受験したパイロットテストの会場では私物は身分証のみ許可されていて、他のものは何も持ち込めませんでした。
筆記試験であれば、会場内にはカバンなども持ち込むことは可能ですし受験開始時からハンカチなどを卓上に置いていても問題ありません。
もし疑われそうなら監督官に申し出て鼻を噛む事も出来ます。
特に上期の学科試験は春先なので花粉症の時期と重なることがあります。
花粉症体質の方は、筆記試験を受験するように検討しましょう。
もちろん筆記試験でもトラブルが起きるので、以下の記事を参考にしてくさだい。
CBT方式を意識した勉強法
CBT方式の試験でも、出題される範囲・試験時間は筆記試験と変わりません。
学科試験は参考書を使って勉強します。各出版社から参考書は発売されていますので、自分に合った参考書を買って勉強してください。
第二種電気工事士の筆記試験の参考書を紹介していますので、購入の参考にしてください。
CBT試験に関するよくある質問
CBT試験のまとめ
第二種電気工事士の学科試験をCBT方式で受験する場合は、以下のメリット、デメリットがあります。
試験期間が早くまたすぐ結果がわかるので、時間を掛けずに受験したい方には向いていますが、申し込み段階で準備が整ってない方は筆記試験を受験する方が良いでしょう。
時間や場所を選べる選択肢が増えたのは助かるね。
学科試験の受験方法が決まったら、申し込みの方法を確認しましょう。
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