第二種電気工事士試験は2段階の試験です。
筆記試験と実技試験の両方に合格すると正式に免状(免許証のようなもの)を申請することができ、電気工事をすることができます。
筆記試験は電気に関する知識と電気工事する際に必要な知識が出題されます。
国家資格の中でも難易度は高くないとは言われていますがどんな試験なのでしょうか?
- 電気の知識はないけど電気工事士になることはできるの?
- 電気工事士筆記試験って難しいの?
これから電気工事士の試験を受けようかどうか考えている方は参考にしてください。
筆記試験はどんな試験?
第二種電気工事士の筆記試験は毎年上期・下期の二回全国で一斉に実施されます。
全50問の4択問題なので1つの問題に対して4つの選択肢があり、正解と思うものをマークシートに記入していきます。
試験時間は2時間です。早く終わった場合には途中退席が認められています。
第二種電気工事士試験は筆記試験に合格しないと次の実技試験には進めません。
もし、筆記試験に合格していて実技試験に不合格だった場合には次回試験時に筆記試験免除で実技試験を受けることができますが、筆記試験に不合格だった場合には次回の試験に挑戦するしかありません。
筆記試験は第二種電気工事士に挑戦する最初の難関です。
試験スケジュールと勉強するオススメの期間について記事にまとめてあります。
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筆記試験の出題傾向
毎年筆記試験で出題される傾向や範囲は決まっていて、過去の出題範囲から大きく変更になることはありません。
毎回配布される試験案内では内容の範囲を「科目と範囲」として公表されています。
- 電気に関する基礎理論
- 電流、電圧、電力及び電気抵抗
- 導体及び絶縁体
- 交流電気の基礎概念
- 電気回路の計算
- 配電理論及び配線設計
- 配電方式
- 引込線
- 配線
- 電気機器、配線器具並びに電気工事用 の材料及び工具
- 電気機器及び配線器具の構造及び性能
- 電気工事用の材料の材質及び用途
- 電気工事用の工具の用途
- 電気工事の施工方法
- 配線工事の方法
- 電気機器及び配線器具の設置工事の方法
- コード及びキャブタイヤケーブルの取付方法
- 接地工事の方法
- 一般用電気工作物の検査方法
- 点検の方法
- 導通試験の方法
- 絶縁抵抗測定の方法
- 接地抵抗測定の方法
- 試験用器具の性能及び使用方法
- 配線図 配線図の表示事項及び表示方法
- 一般用電気工作物の保安に関する法令
- 電気工事士法、同法施行令、同法施行規則
- 電気設備に関する技術基準を定める省令
- 電気用品安全法、同法施行令、同法施行規則及び電気用品の技 術上の基準を定める省令
引用:平成31年上期受験案内4ページ
項目の順番通りに問題が出題されるわけではありませんが、大筋の流れは毎年あまり変わりません。
電気に関する基礎理論
資格試験問題の中では比較的難しい部類に入る問題です。
電気抵抗の計算問題や公式が出てくるので数学的な問題が多いです。
電気抵抗や抵抗率、合成抵抗の計算問題が出題されます。
毎年5問程度が出題されます。
配電理論及び配線設計
単相2線式、三相3線式や単相3線式などの配線に関する問題が出題されます。
配線用遮断器の動作時間なども出題されます。
毎年4〜6問が出題されます。
言葉の意味も理解したうえで計算問題や暗記問題が多く苦労する分野です。
電気機器、配線器具並びに電気工事用 の材料及び工具
主に工具の写真が掲載されていて使用方法として、どれが正しいか、もしくは誤っているかを問われます。
毎年4〜5問が出題されます。
部品・工具の種類や使い方を学習することで得点を伸ばすことができます。
使い方なども勉強が必要です。
電気工事の施工方法
配線の設置方法や作業上対応しなければいけない工事方法についての文章問題が出題されます。
毎年4〜6問が出題されます。
施工方法についての理解ができていれば得点を伸ばすことができる問題です。
配線図の表示事項及び表示方法
筆記試験の中で最も多く20問出されます。
出題の傾向は問題用紙の最後のページにある電気配線図(単線図)を見ながら問題に振られた番号に合わせて問題に答える方式です。
中でも必要なのは、「図面記号を覚える」と「複線図を理解する」ことです。
複線図は実技試験のときにも必要な技術です。きちんと理解して書けるようにしておきましょう。
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一般用電気工作物の保安に関する法令
電気工事士法、電気工事士業法、電気工事用品法、電気工事法の4つの法律に関わる内容が出題されます。
毎年2〜3問が出題されます。
法律の中でも第二種電気工事士に関連する内容は範囲が決まっているので、難しい内容では無いと思います。
第二種電気工事士 筆記試験の勉強方法
第二種電気工事士の筆記試験の勉強は参考書を使って勉強する方法が一般的です。
各出版社から毎年試験対策用の参考書が販売されています。
参考書は何冊も買うものではなく、自分にあった参考書を1冊買って勉強するほうが効率がよく学習できます。
- 文字が苦手ならイラストが多いタイプ
- 持ち運んでスキマ時間で勉強するなら小さいタイプ
- タブレットで勉強するなら電子書籍でも読める参考書
いろいろな参考書が出ていますので比較記事を参考に自分にあった参考書を購入してください。
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過去問を解くと合格できる?
できます。ただし、なんとなく過去問を解くだけでは合格できないと思っています。
問題の出題傾向は同じなので似たような問題も多く出題されています。私も過去問を説いていましたし、過去問の得点を上げていくことで本番も合格できました。
では、「解くだけではダメ」なのでしょうか?
答えは「解くだけでは本質を理解できない」から合格できないのです。
問題は毎年同じではないので、アレンジと言うか変化をつけて出題をされている場合があります。
変化に対応する応用力は過去問の解説をみて理解することで鍛えることができます。
過去問と解説一覧
平成31年上期の問題と解説を紹介します。無料で過去問も解説の動画も見ることができます。
筆記試験問題
これ以外の筆記試験の過去問も電気技術者試験センターでは配布されています。
第二種電気工事士 過去問(電気技術者試験センター)
解説動画
過去問については記事にまとめていますので「過去問を学習して第二種電気工事士試験に合格する」をご確認ください。
アプリを使って過去問を繰り返し解く
過去問はスマホアプリでも勉強できます。無料で使えるアプリもたくさんあるので別の記事で紹介しています。
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振り返り勉強法で間違った箇所を補強する
ただ過去問を説いただけでは記憶や知識が流れていくだけなので「振り返り勉強法」でわからなかった分野を伸ばしていきましょう。
得意分野を強くする事はもちろん、不得意分野もできるようになっておくと本番の試験で合格がさらに近づいてきます。
60点以上が筆記試験合格
2019年度 上期筆記試験では合格基準点は60点以上で、合格率は70.6%でした。
筆記試験は毎年合格点が60点なので、筆記試験は50問中30問正解できていれば合格になります。
「2019年度第二種電気工事士上期筆記試験の結果について」より
つまり、筆記試験は50問中20問は不正解でも大丈夫だとも言えます。
計算問題や法令問題など難しい部分は後回しにして、自分の得意分野で確実に得点を高めていきましょう。
理想を言えば試験前に過去問で70〜80点ぐらい正解できるようになっておくと良いと思います。
まとめ
筆記試験は50問出題され、そのうち30問正解すれば合格です。
図面問題や写真問題は暗記問題なのでアプリで学習すると覚えやすいです。
配電理論は計算問題が出てくるので、得意・不得意が別れます。不得意分野は後回しにしましょう。
- 出題範囲は毎年決まっている
- 過去問を理解して解くことで得点は高くなる。
- 得意分野から取り掛かって不得意分野を高めていく
- 30問正解で合格。理想は70〜80点
まずは合格するのが目的なので、試験の内容を掴んで合格できそうな問題から勉強していき過去問を説いて実力を高めましょう。
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