第二種電気工事士の試験本番は技能試験だと個人的に思っています。
1/13の確立で出される問題を40分一発勝負、ノーミスでクリアしなきゃいけないなんて、運と実力の両方が必要です!
まぁ、合格するためには、練習が必要なので、工具と練習セットを準備しましょう。ただし、特殊な工具も有るので適当に準備してはいけません。
- 指定工具って何?
- どれを買えばよいの?
- あると便利な工具は何?
筆記試験の合格が見えたら技能試験の準備もしておきたいけど、どの工具や材料を選んだらよいか分からない方は、この記事を確認して自分に必要な技能試験の準備を進めてください。
記事内の準備チャートで、自分に必要な工具を診断して、自分に合った工具を注文しよう。
第二種技能試験の技能試験に必要な工具
技能試験は事前に公表されている13問のなかから、試験日当日に1問が出題されます。
出題される問題は会場ごとにランダムに出題され、問題用紙とその問題を仕上げるのに必要最低限の電線や器具のみ配布されるので、技能試験には工具を持ち込まなければいけません。
受験案内には技能試験に持ち込むべき指定工具が記載されていますが、それ以外の工具の持ち込みも可能です。
指定工具は6種類
受験案内には以下のように記載されています。
なお、下記の指定工具は最低限必要と考えられる工具なので、必ず用意はしてください。
[ 指定工具 ] ペンチ、ドライバ(プラス、マイナス)、ナイフ、スケール、ウォータポンププライヤ 及びリングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品)
引用|令和4年度 第二種電気工事士 受験案内 上期試験受験者用 14ページ
基本的には試験問題を作るために必要な最低限の工具ですが、実際には指定工具だけでは合格するのは難しいので、指定工具以外に使える工具で解説します。
指定工具のほとんどは一般的に利用されている工具ですが、圧着工具だけは規格適合品を使わなければ欠陥と判断され合格になります。
リングスリーブ用圧着工具(JIS C 9711:1982・1990・1997 適合品)
電線同士を接続するときに圧着するための工具で、これがないと電線同士の接続ができないので回路を完成させることが出来ません。
また、指定のJIS規格に対応した黄色いグリップの圧着工具で締め付けないと、不合格となりますので、規格にあったものを絶対に準備してください。
指定工具以外に使える工具
第二種電気工事士の試験は指定工具以外の工具でも持ち込んで使うことが可能です。
試験におすすめしているVVFストリッパーもその一つで、ストリッパー1つで測る・切る・剥く・掴む(曲げる)ができる便利な道具です。
追加工具でVVFストリッパーの紹介をしていますので確認してください。
一番難しいのの字曲げをこれ一本でできるようになれば、大幅な時間短縮になります。
その他にも、合格クリップや合格マルチツールなどもありますので、紹介します。
技能試験では使用が禁止されている工具
試験の時間短縮のために便利な工具を使いたい気持ちもわかりますが、第二種電気工事士の技能試験では使用が禁止されている工具があります。
- 電動工具
- 改造した工具
禁止されている工具を使用した場合には不合格になりますので、 絶対に使用しない でください。
電動工具
電動ドリルや電動カッターなど電気で動く工具は使用を禁止されています。
もし持っていってしまった場合にはかばんの中に入れるなどして、試験中に疑われないようにしましょう。
改造した工具
市販されている状態の工具であれば問題ないですが、分かりやすく自分で色付けしたり、寸法を工具に書き込むなどしたものは改造とみなされます。
改造には明確なラインは記載されていませんが、過去に圧着工具に色付けしたものが改造に該当するか電気技術者試験センターに問い合わせしたTwitterのフォロワーさんが、改造に該当するとの回答をもらっていました。
ミスを少なくして時間短縮したい気持ちはわかりますが、不正行為として判定されては悲しい結末しかありません。
市販の工具をそのまま使いましょう。
あなたにあった工具の準備方法チャート
既に工具や材料が手元に有る方は便利工具を、材料が手に入りやすい方は工具セットを購入、工具を持っている方は材料セット、それ以外の方は工具と材料のセットを購入してください。
必要な工具をバラで購入する
第二種電気工事士試験を受けた方からもらったたり、すでにいくつかの工具を持っている場合には、足りない工具を追加購入するだけでもOKです。
もし工具を持っていたら活用しましょう。
普段から使い慣れた工具で作業したほうが効率的ですし、費用も抑えられるのでオススメです。
ただし、絶対に買わなければいけない圧着工具、買ったほうが良いVVFストリッパーは必ず購入してください。
VVFストリッパー
技能試験の時間短縮のためにはVVFストリッパーが必要です。
VVFストリッパーは複数の作業が一つでできる便利な工具で、測る、切る、剥く、掴む、の作業を持ち替えずにできるので、複数の道具をつかって作業するよりもタイムロスが少なくなります。
いちばん有名なのはHOZANですが、各社から販売されているので、お好みで購入してもOKです。
HOZAN P-958
VVFストリッパーの先駆者的位置にいるのがHOZANのP-958です。
ホーザン(HOZAN)社は大阪に本社を置く、工具を製造している会社です。VVFストリッパー以外にもたくさんの工具を販売されています。
マーベル MVA-1620
形状的にはP-958に近いですが、微妙なところで違っています。名称もVA線ストリッパーとして販売されています。
マーベルは大阪に本社を構える老舗の伝説工具メーカーで、工具の製造はグループ会社のミノル工業がされています。
MCC VS-4A
黒くてグリップに落下防止のための返しがついている、プロっぽい形のストリッパーです。
MCC( 株式会社松阪鉄工所 )は三重県にある100年以上の歴史を持つ工具メーカーです。
ツノダ VAS-230
黄色いグリップが特徴的な新種のVVFストリッパーです。
ツノダは金属加工で有名な燕三条(燕市と三条市)に工場を持つ、ペンチやプライヤーなどの工具を製造している会社です。
模型工具のゴッドハンドの関連会社といえば、分かる人にはわかるかな?
圧着工具
圧着工具には、小と中サイズのスリーブが圧着できるミニタイプと大サイズのスリーブまで圧着できる2種類のタイプがあります。
第二種電気工事士の技能試験では大サイズのリングスリーブは出題されません。
中までしか圧着できないので、実際の電気工事現場では実用性が低いですが、小さく小回りがきくサイズです。
DIYの延長で電気工事の資格を取ろうとしている方は、あくまで試験用と割り切ってミニサイズでも良いでしょう。
大サイズまで対応したものは、テコの原理で締め付けるために工具が長いので、持ち運びにくく小回りは効かないです。
その分、力の弱い方でも圧着しやすいという特徴があります。
本職として電気工事士を目指している方は、大サイズまで対応した圧着工具を買っておいたほうが良いでしょう。
電工ナイフ
先端が鋭角ではなく、刃の厚みも有るナイフです。昔の試験では心線を剥く作業は電工ナイフで行っていましたが、現在の試験ではVVFストリッパーで処理するのが主流です。
折りたたみタイプやケースに入れるタイプがあります。
工具セットに入っている電工ナイフや折りたたみタイプが多く、実際の現場ではケース付きのタイプを腰に下げて作業していることが多いです。
結果的には私は試験で電工ナイフは使いませんでした。
追加する工具は長く使うことを考えると、少し高めの商品を買っておくと、作業もしやすいので良いと思います。
必要であればドライバーやウォーターポンププライヤーを購入しましょう。
工具の準備ができたら、便利工具も確認しておきましょう。きっと役に立ちます。
工具セットを買う
ほとんど工具を持っていない場合には技能試験の指定工具+VVFストリッパーが入ってる工具セットを買っておけば間違いありません。
前述の通り、指定工具は試験の作業に必要な作業をするための工具です。それにVVFストリッパーがあれば公表問題13問のどれが出題されても大丈夫です。
セットになった商品はバラバラで買う手間を省いてくれるので、工具をあまり持っていない方にはおすすめです。
もし、材料も購入する場合には練習用の材料セットがあるので、合わせて購入しましょう。
おすすめの工具セット
商品名 | | |||
---|---|---|---|---|
メーカー | HOZAN | マーベル | ツノダ | SK-11 |
金額 | 12,000円 | 11,980円 | 11,895円 | 14,093円 |
特徴 | 人気の工具セットです。ホーザンオリジナルの技能試験解説冊子付き。 | 大きく、持ち運びやすい収納袋 | ペンチやストリッパーのグリップが黄色で統一されているのでオシャレ。 | 各社の商品を組み合わせてセットにしている商品。 収納ケースがコンパクト。 |
紹介した以外にもVVFストリッパーが入っていない商品や、圧着工具が大きいタイプの物がありますので、購入の際には商品の違いにご注意ください。
DK-28 HOZANの工具セット
HOZAN社の製品は第二種電気工事士を受験するかたの間でも人気ですし、私もDK-28を購入してました。
迷ったらHOZANのDK-28を購入しておけば安心です。
DK-28のセット内容は別記事で紹介しているので、確認してください。
MDKS-7VA マーベルの工具セット
赤いグリップが特徴的なマーベルのVVFストリッパー(MVA1620)が入っている工具セットです。
TS-E01 ツノダの工具セット
黄色いグリップで統一されているツノダ社製の電気工事士セットは、圧着工具が大しかありません。
購入の際にはご注意ください。
SDK-9TC SK-11の工具セット
各社の製品を詰め合わせたSK-11の工具セットは、収納ケースがハードケースで、工具をコンパクトに収納することができます。
工具と練習用材料の両方を買う
工具も持っていないし材料も入手しにくい方は、工具と練習用の器具がセットになっている商品を購入しましょう。
まとめて買う以外に、工具セットと練習セットを別で購入しても問題ありません。
商品によっては指定工具に特典や追加工具を付けているメーカーもありますので、比較して自分に合った商品を選んでください。
おすすめ工具と材料のセットの一例
型番 | 電気工事士 2種 技能試験セット 【1回練習分】(電線、器具、専用工具、テキスト) 【全13問対応】 | DK-52+2回練習セット | ||
---|---|---|---|---|
メーカー | 電光石火 | モズシリーズ | HOZAN | 一発合格 |
値段 | ¥ 29,990 | ¥ 35,000 | ¥ 40,388 | ¥ 43,780 |
工具セット | ホーザン DK-28 | マーベル PS-24a | ホーザン DK-28 | マーベル PS-24a |
練習回数 | 1回分 | 1回分 | 2回分 | 3回分 |
特徴 | 工具は人気のホーザン社のDK-28 | 解説動画付きのプレミアムシリーズです。 スマホやPCでも見れるので便利です。 | ホーザン社の工具セット(DK-28)と2回分の練習用で器具・電線が揃ったセット | マーベルの工具セットに。公表問題を3回練習できる材料をセットにした商品です。 |
練習セットの金額は練習する回数によって高額になっていきます。
紹介している商品は一例です。各社から多くの商品が販売されているので、比較して購入してください。
電光石火 【1回練習分】(電線、器具、専用工具、テキスト) 【全13問対応】第二種電気工事士 (2022年版)
スタンダードなホーザンのDK-28と公表問題13問を1回練習する分量の電線と器具がセットの商品です。
参考書もついているので、まとめて買うには便利。
モズシリーズ プレミアム 技能試験の練習材料セット (電線1回分+器具+工具セット+解説動画)
マーベルの工具セットに練習用器具+電線に技能試験の解説がセットになったお得な商品です。
ホーザン DK-52 2回練習セット
人気の工具セットDK-28に練習用材料が2回分入っているセットです。
プロサポート マーベル工具(PS-24a)+器具+ケーブル3回セット PSC-2008
公表問題13問を3回練習できる分量の材料が入った大ボリュームの商品です。
練習用器具・材料セット
技能試験の練習は何周すればよいのか?と、アンケートを取ったところ2回練習する方が多数でした。
2回分の練習セットならモズシリーズのプレミアム2回分がオススメです。
動画解説もついているので、スキマ時間に動画で勉強できます。
サポート対応も充実しているので、気軽にわからないことを質問できます。
指定工具以外の便利な工具・アイテム
指定工具以外にも第二種電気工事士の試験に役立つ補助工具が販売されています。
合格クリップ
電線を一時的に束ねておくためのクリップです。
心線をリングスリーブに差し込むときには、片手では難しいので、合格クリップで一時的に束ねておきます。
ケーブルがバラバラになることを防げるので、時間の短縮に有効です。
プレート外しキー
コンセントやスイッチに差し込んだ心線を外すときに使います。
マイナスドライバーや合格マルチツールでも出来ますが、プレート外しキーは小さいので作業の邪魔になりません。
合格ゲージ
VVFストリッパーP-958に取り付けてストリップする長さや心線を残してカットする長さを簡単に測れる補助工具です。
ただし、右利きの方むけの補助工具なので、左利きの方は使いにくいです。
合格マルチツール
輪っかがついたプレートのような形状で、ロックナットや絶縁ブッシングの締付け、リングスリーブの差し込み、ねじなし電線管の電線接続のねじ切り、マイナスドライバーの代わりができる工具です。
ロックナットのメーカーによっては、使えない場合があります。
私が試験で持っていった工具
実際に私が技能試験の際に試験会場に持っていった工具類を紹介します。
- VVFストリッパー(HOZAN P-958)
- 結束バンド
- ニッパー
- マスキングテープ
- 定規
- 絆創膏
人によってはもっとたくさんの工具があったほうが安心するかもしれませんが、技能士試験の作業スペースは狭いので、あまり無駄なものは持っていかないようにしました。
結束バンド
結束バンドは合格クリップの代わりに電線を一時的に束ねてくのに使いました。
事前に輪っかを作っておいた結束バンドを持っていき、束ねるときに引き締めて固定してリングスリーブを圧着しました。
これを繰り返して、最後にニッパーで全部のバンドを切り離しました。
圧着前に複線図と比較して接続をチェックできたので、ケーブルの固定はオススメ
ニッパー
結束バンドを切る目的がほぼですが、VVFストリッパーやニッパーに何かあったときの保険も兼ねて持っていっていました。
マスキングテープ
塗装用のマスキングテープを物の固定用に持っていきました。
練習の時から机に定規をマスキングテープで固定して、切断するケーブルの長さを測っていたので、試験本番でも持ってい行きました。
比較的安価で手に入りやすく、家にたくさんあったので有効活用です。
布尺・定規
定規を机に固定して使ったので、布尺は、ホーザンの工具セット(DK-28)にもあったのですが定規で代用したので使いませんでした。
試験開始前の材料計測用に、1.5mの布尺を購入して測りました。
絆創膏
結構、試験本番は普段できていることが緊張と焦りでできなくなります。
そうすると思わぬところでケガをします。私はネジが被覆を噛んでいる箇所を無理やり調整しようとしてケガをしました。
あまりの流血になると試験を中断させられるので、絆創膏ではもちろん足りませんが、軽度なケガをしてしまうので持っていって損はないです。
技能試験の工具についてのよくある質問
第二種電気工事士の技能試験に必要な工具の選び方まとめ
第二種電気工事士の受験に必要な費用の大半は、工具と練習用材料です。
準備しないと試験に合格することは出来ないので、できるだけ早く準備しましょう。
基本的にどの商品もしっかりした商品ですので、買って失敗することはありません。
むしろ、工具は中古品を買っても状態が悪く、買いなおす方もいらっしゃるようです。
第二種電気工事士の練習には工具と材料が必ず必要です。早めに商品を選び・購入して、第二種電気工事士試験に向けて練習をしてくださいね。
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