第二種電気工事士の筆記試験が終わったら技能試験の練習を急いで始める必要があります。
これから技能試験の練習を始める方にオススメの実技練習法をまとめました。
どんな練習すれば良いのかわからない方
実技試験の練習中の方で練習方法に不安がある方
実技試験は筆記試験と違い、1つでも作業にミス・欠陥があると不合格になります。試験時間も40分と限られています。
筆記試験から実技試験までには40日程度の時間がありますので、基本練習と候補問題の練習を繰り返してください
【事前準備】第二種電気工事士試験に必要な道具を用意する
実技試験当日、必要な道具を自分で用意して試験当日持っていかなければいけません。
まずは作業に必要な道具を用意しましょう。オススメはHOZANの電気工事士試験セットDK-28です。試験で指定されている道具と、それ以外にも試験の時に役に立つ道具がセットで購入できます。
また、道具だけでなく試験問題の練習のために電線やスイッチなどが必要です。セットになった商品が販売されていますので、合わせて購入しましょう。
工具セット(DK-28)の内容については以下の記事でまとめています。
候補問題を何回練習するかによって部品の量や長さが変わってきますので、必要に応じて購入してください。
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道具や練習用部材は筆記試験後に購入するのが良いですが、人気セットなので在庫切れになることがあります。工具セットとあわせて早めに購入しておきましょう。
まずはよく出る実技作業から練習する
まずはすべての候補問題で出題される実技作業から練習しましょう。
全ての候補問題で出てくる作業。
- 電線の切断
- 電線の被覆剥き
- 電線の圧着接続
- 電線の差し込みコネクタによる接続
- スイッチ・コンセントに電線の差し込み
- 露出型コンセント・ランプレセプタクルへの電線の接続
全ての問題で作業する電線の処理はVVFストリッパーで作業をします。
スイッチやコンセントに電線を差し込みのはストリップする長さを調整すれば良いので練習すると言うよりは、ストリッパーの使い方の練習です。
慣れれば自然と作業スピードは上がっていきます。
電線の輪作り、「の」の字曲げは練習が必要なので後半で紹介します。
練習の流れ
作業になれたなと感じたら次の段階に進むようにしましょう。
最終的には、実際の試験と同じ様に時間を測りながら候補問題を練習しましょう。
では、段階的実技練習の方法についてお知らせします。
【1】道具の使い方に慣れる
いきなり問題は解き始めるのはあまりおすすめしません。
野球ではキャッチボールで球の投げ方を練習するように、まずは基本の道具のコツを掴み、使い方に慣れましょう。
遠回りに感じるかもしれませんが、実技試験の短い時間の中では一つひとつの動作の迷いが時間をロスしていきます。
実技作業を効率的に進めるためには道具を使いこなすことが大事なのです。
VVFストリッパーの使い方をマスターする
VVFストリッパーと圧着器は電気工事試験で初めて使うひとがほとんどだと思いますので、使い方のコツを書いていきます。
以前の電気工事ではケーブルの被覆を剥く道具は電工ナイフが一般的だったそうですが、いまや作業現場でもVVFケーブルストリッパー使われることが多くなったそうです。
私も受験用に購入した工具セットにはP-958が入っているものを買いました。
使い方のコツは公式サイトに動画が掲載されています。
長さを測る面
ストリッパーにはケーブルの長さを測る目盛りがついた面とストリップするケーブルの太さ・本数がかかれた面があります。
ストリッパーの先から1センチ刻みで描かれた目盛りと、細かいストリップ用に描かれた2cmの目盛り
ストリップするケーブルの太さ・本数がかかれた面
ストリップするケーブルの芯線の太さ、本数によって被覆をむく場所が決まっています。
剥きたいケーブルの窪みにVVFケーブルを当ててストリッパーを閉じると被覆だけに切れ目が入って向きやすくなります。
ストリッパーの持つ面を意識
必ず目盛りがついている方の面が上になるようにストリッパーを掴んでください。
- 長さをはかる時は手の甲を上にした面で
- ストリップするときは手のひらを上にしてケーブルの太さに合わせた窪みにケーブルを入れる
実技試験では2つのアクションを繰り返していくので向きを決めるとスムーズに作業を進められます。
置くときも必ず目盛りが描いてある面が上にしておけば、持ち直した時でも作業をすぐに再開できます。
握り方を固定すればVVFストリッパーの面を確認する動作が減ったので、裏表ひっくり返して確認する手首の動きと目線の動きが省略できてスピードアップになりました。
皮膜向きの練習をする
ケーブルの皮膜ストリップにもコツがあります 。VVFケーブルなどは二重被覆になっています。
試験問題では内側の被覆は長く剥くことはないですが、外側の外装被覆は10センチくらい剥きます。被覆は長く剥こうとするほど摩擦が有り抜きにくくなりますので、力の入れ具合なども覚えてください。
すばやくストリップする方法を習得する
剥きやすくするテクニックとてしては以下の方法があります。
- 斜めにストリッパで挟んでテコの原理で被覆をずらして抜きとる
- 挟んで切れ目を入れてから少し先の被覆をストリッパーで軽く挟んで先端側に抜き取る
斜めにストリッパを入れる方法はオンデマンド今井さんが実践されています。やや握力が必要なので女性には厳しい方法かもしれません。
被覆をストリッパで軽く挟む方法の場合はコツを掴めば早くできると思います。
あまり強く挟まずに被覆だけに刃が刺さるくらいを意識してストリッパを持っていない方の手でケーブルを持ち、親指でストリッパを押すと被覆が抜けます。
輪作り、「の」の字曲げの練習をする
多くの書籍や動画でペンチを使って「の」の字曲げをする方法が紹介されていますが、私は道具を持ち変える時間を短縮するためにストリッパーで「の」の字曲げをするようにしました。
VVFケーブルストリッパー(P-958)を使った「の」の字曲げの方法を大きめの写真を使って解説した記事を作成しました。
スマートフォンでも見やすい写真にしていますので確認してください。
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「の」の字曲げもストリッパーでできれば持ち替えの時間がいらないので時間短縮が可能です。
圧着器の使い方に慣れる
「の」の字曲げのように道具の使い方に慣れが必要な作業で電線同士の接続を圧着器で行います。
電線同士を接続するときに規定の電線の本数に対して適切なリングスリーブをはめて、圧着器で締め付けます。
圧着器は開いた状態から締め付けを始めますが、一定の締め付けができるまで開かない仕組みになっています。
締め付けには結構握力が必要なので、最初はなかなか締め付けられないと思いますが、何度も締め付けをして短時間で圧着できるようにしておきましょう。
手が痛い場合には手袋をして締め付けると良いでしょう。
手の小さい方や力の弱い方は両手を使ったり、机に押し付けて圧着をしなければいけません。ケガなどに注意して締め付けてください。
第二種電気工事士の技能試験にはリングスリーブ大は出題されないので自分で用意する場合には中サイズまで対応できるものを用意してください。
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ドライバーの使い方になれる
ランプレセプタクルや露出型コンセント、端子台はドライバーでのネジ外し、ネジ止めがあります。
ドライバーの使い方というよりは、端子台などのネジは小さいので細かい作業になることがあります。
試験当日、時間に焦って失敗したり部品を飛ばしてしまわない様に何度も練習しておきましょう。
被覆の締付けなどは欠陥になりますので注意してください。
ランプレセプタクルや露出型コンセントはすべての問題に含まれている作業です。
必ず作業できるようにしておきましょう。
【2】細かく作る
まずは道具に慣れることと並行して、各作業を細かく練習していきます。練習自体が道具に慣れることにもなりますので一石二鳥です。
不要なケーブルなどでやると良いでしょう。
- ケーブルストリップ
- 「の」の字曲げ
- 「の」の字曲げからのランプレセプタクル、露出型コンセントへの接続
- リングスリーブの圧着、差し込みコネクタの接続
部品ごとの実技練習には
- 引っ掛けシーリングへの結線
- 取りつけ連用枠の作業
- 端子台の接続
- 遮断器への接続
各部品の作業を一通りできるようになると良いと思います。
実技練習中に失敗した点はノート等に書いて振り替えれるようにしておきましょう。
欠陥判定を確認する
道具と作業に慣れてきたら欠陥判定を確認することをオススメします。
欠陥判定とは実技試験の中で「これをやったら欠陥」となる基準がまとめられたものです。
逆に言えば欠陥判定にならないように作業できれば合格できるということです。先に欠陥判定を知っておけばミスの許容範囲がわかりますので、思い切って作業ができるようになります。
欠陥の判断基準等について | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
技能試験の概要と注意すべきポイント(2019年1月更新版)
【3】複線図の練習をする
試験問題は事前に13問候補問題が公開されています。
単線図のみの公開になっていてケーブルの長さなどは記載はありません。候補問題はここ数年は同じなので試験問題とその解答を見ると施工条件が確認できます。
HOZANの電気工事士工具セット「DK-28」には候補問題を解説したの特典ハンドブックが付いています。
候補問題の単線図、複線図、完成回路の写真がついていますのでこれを利用しても良いでしょう。
各候補問題の複線図を描けるように何度も書きます。私はA4の上を折り曲げて小さいエリアの中に描いて練習しました。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://dokugaku-denko2.info/must-master-slkill-double-line-diagram/ target=self]複線図の書き方については以下の記事を確認して下さい。
最初は正しく描けるように練習して、慣れてきたら2〜3分で描けるように時間を測りながら描いて行くと良いでしょう。
【4】候補問題を練習する
ここまできてやっと候補問題の制作に入ります。
道具にも慣れ、輪作りなどもできるようになっていれば候補問題を初めて作るときもスムーズに作業ができると思います。
逆に候補問題を作っても1時間以上かかった場合には被覆剥きの練習、道具の練習、輪作りの練習からやり直すと良いです。
最低でも1回できれば3回、候補問題13問を作って練習してください。
私は作った時のミスをノートにメモして、ミスをした部分を練習して再度同じミスをしないように振り返って改善しました。
第二種電気工事士 実技試験練習法のまとめ
いきなり候補問題を作っても時間の無駄になるだけです。特に道具の使い方に慣れていない方は先に細かい実技練習をしたほうが、遠回りのようですが近道です。
道具の使い方を練習しておかないと試験当日に起きる想定外のミスに対応できません。
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実技試験は平成29年度から一つでもミスが有ると不合格と判定される厳しい試験になりました。欠陥判定は公開されているので内容を確認しておいてください。
試験当日の流れを別の記事でまとめています。
[sitecard subtitle=関連記事 url=”https://dokugaku-denko2.info/item-for-practical-exam/”]
実技試験は筆記試験と違う実技練習が必要ですので、筆記試験が終わったら頭を切り替えて練習に入りましょう。
試験までの期間も筆記試験終了から1〜2ヶ月と少なめなので、確実な加工とミスのない施工を心がけて練習して下さい。
練習には練習用の材料が必要です。オススメの準備方法について別記事でまとめていますの練習の準備の参考にしてください。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://dokugaku-denko2.info/how-to-choose-tools-and-materials/ target=self]
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