第二種電気工事士の技能試験の練習は材料と工具を購入しなければいけません。
初心者の方はセット商品をオススメしています。商品は各社から工具や器具・材料のセットなど各種販売されています。
今回は、ジャパンエレグロス様が販売されているモズシリーズ ギガ工具付き電線器具ダブルセット(以下、ギガセット)をお借りしましたので、レビュー記事として紹介します。
この記事はこんな方にオススメ
- 技能試験対策セットにどんな商品があるのか知りたい
- まとめて材料と工具のセットを探している
筆記試験も終わり、これから第二種電気工事士の技能試験の練習を始める方で、準備する工具・器具をセット購入したい方はこの記事を確認して購入の参考にしてください。
自己紹介
ギガセットをざっくり解説するよ
やはり高額商品なので、金額が負担になるように感じますが、実際は使い方次第で試験の時間短縮に役に立つ工具が入っているので、メリットもたくさんあります。
ギガ工具付き電線器具ダブルセットとは
ギガセットは2022年に発売された第二種電気工事士 技能試験対策の練習用器具・電線・解説動画・追加工具がセットになった、モズシリーズの商品ラインナップのなかでも最高額の商品です。
メーカー希望価格44,500円のこのギガセット。通常、工具と材料で3万円程度ですので、4万円を超えるこの商品かなり高額な部類に入ります。
もちろん、ギガセット以外にもモズシリーズでは他にも電気工事士の技能試験の練習セットを各種販売されています。
ギガセットには4種類のアイテム
ギガセットには練習用の材料セットと解説の動画の練習セットと、工具のセット。さらに練習や作業を便利にするための工具が追加された豪華なセットです。
1.電線、部品と器具に問題解説動画がセットされたプレミアムセット
モズシリーズ プレミアムは技能試験に必要な材料に解説動画がセットで購入できる、とても便利な商品セットです。
器具・材料は技能試験の候補問題13問を1回作れる量が揃っています。実際の技能試験ので配布される器具と同じものなので、実際の試験と同じ形式で練習ができます。
また、モズシリーズプレミアムには動画解説を視聴できる冊子が付いてきます。
動画はYouTubeで見れるので、スマホ・タブレットなどでも視聴でき、移動時間に見る・練習のときにタブレットで見るなど、自分の環境に合わせて動画を視聴できるのは助かります。
技能試験の練習をしながら動画を見るのにはタブレットが便利ですが、スタンドがあるとさらに見やすくなるのでオススメす。
電線+器具+解説動画がセットになったプレミアムセットだけでも購入はでるので、工具が要らない方は、プレミアムセットを購入してください。
2.マーベル社製の技能試験工具セット
マーベル社は大阪市にある電気設備工具や機械用の工具を販売している会社です。
人気のHOZANの工具セットとセット内容はほぼ同じでVVFストリッパー、ベンチ、ドライバー(プラス、マイナス)、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤーが入っていて、試験に必要な工具は一通り揃っています。
収納袋は取っ手が付いているので、持ち運びが便利です。
ポケットも付いているので、小物や切り屑なども入れられて使い方の自由度は高いですし、袋には20cmまで測れる5cm刻みの目盛りが印刷されているので、ざっくり長さを測りたいときに使えます。
マーベルのワイヤーストリッパーはHOZANのP-958とほぼ同じ形なので、機能的に違いはありません。
圧着工具は「中」までしか刻印できないミニ圧着器ですが、第二種電気工事士の試験には「大」は出題されないので問題ありません。
HOZAN社から発売されている技能試験工具セット「DK-28」を解説した記事もあるので、工具購入の比較として読んでみてください。
3.練習に便利な追加工具
ギガセットの最大の特徴は練習に役に立つ追加工具セットが追加されていることです。
- VA線ストリッパー JVA-123
- ケーブルストリッパー MC-012
- ネジザウルスGT PZ-58
- WAGO社製のワンタッチコネクタ
それぞれ便利な工具なので、技能試験の練習に役に立つ使い方を解説していきます。
VA線ストリッパー JVA-123
VA線ストリッパーは、多機能なVVFストリッパーと違い電線を剥くことに特化した工具です。
この工具で外装被覆、絶縁被覆の両方の処理に対応しています。
同じ作業を繰り返すには便利なので、多くの電線を処理する現場ではVVFストリッパーよりも、このタイプのストリッパーが使われています。
被覆を挟み込み、グリップを握り込むと一気に被覆をちぎって3cmほどずらしてくれます。ちぎった被覆を電線から抜き取れば、剥き作業が終わります。
外装被覆をむいて、そのまま絶縁被覆を剥くことができるので作業時間の短縮には貢献できます。
デメリットとしては、作業のたびにVAストリッパーを机に置かないといけないので、VVFストリッパーに比べて動線が増えてしまいます。
また、剥くときに何度もグリップを握り込むので、握力に自信がない人には辛いかもしれません。
ケーブルストリッパー MC-012
丸いケーブルの被覆を剥く時に活躍するストリッパーです。
ケーブルを挟んでクルクル回すと、内側にある刃が被覆に切れ目を入れます。切れた被覆は簡単に外せるので時間短縮に効果的です。
特にVVRケーブルの処理が格段に楽になります。
VVRケーブルはVVFストリッパーで処理もできなくは無いですが、きれいに剥くにはコツが必要です。うまく処理できないことがあります。
なのに、試験問題ではあまり出てこないので練習の重要度は高くありません。
このケーブルストリッパー MC-012を使って、練習する手間を省いてしまってもOKです。
ネジザウルスGT PZ-58
ネジザウルスは株式会社エンジニアが販売している工具シリーズで、なめたネジや潰れたネジを掴むための特殊な形状の歯がつけられたペンチが有名です。
PZ-58はスプリングが入っているので、刃先を開きやすく作業しやすいのが特徴です。
ねじなし電線管のコネクタの練習では、捩じ切ったネジを取り外すときにこのネジザウルスが活躍します。
また、ニチフ製の差込コネクタから電線を抜くときも、ペンチよりはネジザウルスのほうが電線を掴みやすく力が込めやすいので、早く外れます。
実際の試験で、差込コネクタのやり直しをするときにも、ネジザウルスなら短い時間で電線を外せます。
普段遣いにも便利なので私もネジザウルスJSを使っています。
ほかにも電設工事用のネジザウルスVAは電線カットもできるので、実際の工事をするときに役に立つ工具もあります。
WAGO社製のワンタッチコネクタ
ワゴ(WAGO)はドイツで設立されたスプリングを使った電線接続器具を製造するメーカーで、日本にはワゴ ジャパンという子会社があります。
ワンタッチコネクタはレバー操作で電線をロックできるコネクタです。電線の差し込みが簡単で、レバーを起こせば簡単に電線を抜くことができます。
レバーを起こせば電線をスムーズに抜くことができるので、回路を解体する時の時間短縮に使えます。
ただし、試験ではニチフ社製の透明の差し込みコネクタが支給されるので、WAGOだけで練習はしない方が良いです。
ワンタッチコネクタ は、差し込みコネク、の欠陥判定を理解したあとに使うと良いでしょう。
さらに公式サイトでは参考書も購入可能
モズシリーズ公式サイトでは、追加で費用は発生しますが、電気書院より発売されている技能試験の参考書を同時に購入することができます。
参考書もあわせて購入したい方は購入時に選択してください。
モズシリーズの商品比較
商品名 | 金額(調査時) | 電線 | 器具 | 動画解説 |
---|---|---|---|---|
モズシリーズ 電線器具ダブルセット 電線1回分と器具一式 | ¥15,200 | 候補問題を1回分練習する量の電線 | 有り | – |
モズシリーズ 全13問切り分け電線と器具のセット | ¥18,200 | 候補問題ごとの長さに電線が切り分けてある | 有り | – |
モズシリーズ 電線2組セット 電線2回分 | ¥12,000 | 候補問題を2回分練習する量の電線 | – | – |
モズシリーズプレミアム 動画解説付電線器具ダブルセット 電線1回分と器具一式 | ¥16,500 | 候補問題を1回分練習する量の電線 | 有り | 有り |
モズシリーズプレミアム 2種電線器具2の1セット | ¥20,000 | 候補問題を2回分練習する量の電線 | 有り | 有り |
モズシリーズプレミアム 動画解説付電線器具3の1セット | ¥26,000 | 候補問題を3回分練習する量の電線 | 有り | 有り |
モズシリーズ 電線セット | ¥6,500 | 候補問題を1回分練習する量の電線 | – | – |
モズシリーズ 器具セット | ¥10,000 | – | 有り | – |
モズシリーズには今回紹介しているギガセット以外にも、器具だけのセット、電線だけのセットや試験問題に合わせてカットされた電線も販売されています。
第二種電気工事士の技能試験の練習は候補問題を最低2周は作らないと試験問題をマスターできないので、必要な材料を比べてみて準備してください。
ギガセットのメリット
- 技能試験の準備の手間が少ない
- すべて揃えるよりも安い
- 試験でも使いやすい工具が追加されている
- いろいろな工具を試せる
セット商品の最大のメリットは、手間の削減です。
特に初めて電気回路を作る場合は、技能試験の候補問題を2〜3回作らなければ作業の方法は身に付きません。その為になるべく長い期間を確保して、練習をしていく必要があります。
バラバラでかう手間を考えた場合、役に立つ工具も追加されているのは、ギガセットのメリットです。
また、追加されてる工具もあるので、色々なやり方を試せるのも良い点です。
例えばVVRケーブルの被覆は電工ナイフで剥いたり、VVFストリッパーで剥いたりと複数のやり方があります。時間短縮するには自分に合うやり方でやるのも1つの攻略法と言えます。
たくさんある工具で、自分なりのやり方を見つけてみても良いでしょう。
ギガセットのデメリット
- 金額が高い
- いらない工具も出てくる
やはりセット内容の商品数が多いので金額が高い点が、デメリットとして感じてしまいます。
ギガセットの工具の中には試験問題によっては使わない工具はあります。
もちろん当日出される問題によっても違いますが、私が技能試験を受けた時にはウォーターポンププライヤーも電工ナイフも使いませんでしたし、VVRを使う問題でもありませんでした。
また、自分のやり方に合わず使わない工具が出てきます。
ただ、試験とは関係なく日常の生活でそれらの工具を使う場面は有ったので、余分な工具は持っていて良かったと感じました。
費用面で高く感じるかもしれませんが、工具は持っていれば使う場面は出てくるので、無駄にしない使い方をすれば良いと思います。
そこまで工具は要らないと感じた方は他のセット商品を購入して、試験対策をしましょう。
ギガセットはこんな人にオススメ
準備をとにかくまとめて早くしたいひと
ギガセットには、オプションとして技能試験の参考書(電気書院より発売)を付けることができます。
電線、器具、工具、解説動画に参考書までを一度に購入できるのは、時間短縮に役に立つことは間違いありません。
とにかく準備を早くして、早く練習をして合格を目指すなら、このギガセットを購入すると良いでしょう。
第一種電気工事士に挑戦するつもりの人
第二種電気工事士に合格後、第一種電気工事士にステップアップしようとしている方もたくさんいらっしゃいます。
電線や器具は第一種用のものを追加購入する必要はありますが、工具は共通で使える物もあります。
使い慣れた道具をそのまま使えば、作業スピードを落とさずできるので、より合格に近づきます。
ギガセットは初期投資としては高くなりますが、第一種の試験を受けるときの費用を安く抑えることが可能です。
第一種電気工事士の試験では第二種では出題されなかった器具がありますので、アップグレードセットを購入すれば、今までの器具を使うことができます。
また、圧着工具はリングスリーブ「大」を処理できるサイズのものが必要になるので追加購入しましょう。
モズシリーズのギガセット まとめ
第二種電気工事士 ギガ工具付き電線器具ダブルセットは練習用のセットの中では他社製品を含めても高額な商品です。
購入されるときに金額面での二の足を踏む方も多いと思います。
ただ、技能試験は実際に作業をして練習をしなければいけません。また、候補問題を制限時間内に作る練習も必要です。
筆記試験対策と違い技能試験の練習はどこでもいつでもできるわけではなく、練習する机などの場所、作業する時間(1問あたり準備合わせて1時間前後)の確保が必要です。
試験直前になればなるほど、時間の余裕はなくなるので、時間をどれだけ確保できるかが技能試験の見えない対策です。
なので、練習は早めにスタートさせておくべきですし、材料や工具の準備に時間をかけるべきではありません。
工具も材料も解説動画も、さらに追加工具もセットになったギガセットは、技能試験対策の時間短縮に貢献できる商品と言えます。
ぜひモズシリーズ ギガセットを購入して第二種電気工事士の試験に合格してください。
ギガセットでは費用負担が大きと感じる方は、HOZANのDK-28やモズシリーズプレミアムセットなど工具・材料のセットを購入して練習しましょう。
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