第二種電気工事士の実技試験を受験したときにミスをしてしまった。
受験した平成30年度上期実技試験は前年の試験とはちがい、候補問題全13問が全国各地バラバラに出題されるという仕組みだった。
結果的に技能試験の試験問題の予測はできなかった。
私に出された試験問題は10番。
アウトレットボックスもなく比較的難易度も低く、ミスするポイントも少ない問題だ。
試験日前日に試験問題No.10の埋込連用取付枠部分を確認のため作っていたので、もはやこの時点で合格できる自信に溢れていた。
試験問題は配布され、スタートした。
試験とてもは順調だった。
ケーブルの切断、被覆ストリップ、機器への接続、結線、自分には手が自動で動くかのように感じられた。
心に余裕があると周りの音や試験官の動きがわかるんだな。
このときはこの後起きる事件が試験の行方を左右するとは思いもよらなかった。
被覆を巻き込んでネジ止めした!
まぁ、緊張もあったんだろう。なんて初歩的なミスをしたのだ。
試験問題の中にはランプレセプタクルがある。実技試験ではよく出される材料の一つだ。
そのランプレセプタクルのネジの電源側黒の線の被覆を巻き込んでネジを締めてしまった。
ウッカリウッカリ。
こんなことではミスとは言えないのでは?と思ったが欠陥判定には記載がある。
8-4.絶縁被覆を締め付けたもの
つまり、このままではネジで被覆を挟んだままネジ止めしてしまうと欠陥として判定され失格になる。
ここは冷静に被覆を3ミリほど切り取ってネジを締め直して完了。
ふー、あぶねー。
コンセントの上下間違えた!
10番の問題には取付枠にパイロットランプ、コンセント、スイッチを取り付ける箇所がある。
取付枠にスイッチを固定するときに確認したはずだが、コンセントを上下逆さまに取り付けていた。
そんなまさか!
ケーブルのストリップもして、取付枠作業にスイッチ類をはめ込んで差し込みも終わり、組み込んだ状態で気が付いた。
欠陥判定には上下の間違いは記載はないものの、ミスがあれば一発アウトになる電気工事士実技試験。
なるべくリスクは避けておきたい。ミスと判定される可能性があるのであればやり直すしかない。
やり直しのためケーブルを外し、取付枠からコンセントを外して組みを変えて、正常に戻して線をつなぎ直した。幸いプレート外しを持っていっていたので、ケーブルを抜く作業は問題なくスムーズに行えた。
プレート外しがなくても電工用のマイナスドライバ(幅5.5mm)があれば十分だ。幅5.5mmであればケーブルを抜くための穴に入るのだ。自分で道具を揃えるときに知っておくと良い。
ちなみにHOZANの電気工事士受験工具セットに入っているドライバーは対応している。
HOZANの電気工事士受験工具セットの詳しい使い方は別の記事にまとめています。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://dokugaku-denko2.info/practical-test-tools-dk28/ target=]
コンセントの上下間違いが欠陥判定になるかはわからないが、この程度のことをミスだと思えないくらいの事件をこの後起こしてしまっていた。
渡り線、短く切りすぎた!マジ無理レベル!
もうリカバリーできないレベルでのミスを起こしてしまった。
前日に復習したとはいえ、試験当日複線図を描いて配線の本数を確認し、渡り線が必要なこともわかっていた。
問題の配線の長さに合わせて支給されたケーブルを切り、VVFケーブルの1.6mm3芯が10センチ余るので、取付枠にはめたコンセントなどの渡り線に使うつもりだった。
たぶん、みんなそうだったと思う。
わたり線としては10センチあれば十分だったが、何を思ったか2センチ切り落として、渡り線がギリギリ届くか届かないかの長さにしてしまった。
私は激しく後悔した。
リカバリーできるのか?!
短く切ってしまったケーブルはどうしようもないんでとりあえず8センチの長さで両端を1センチずつ剥き、渡り線をスイッチとバイロットランプに差し込みました。
もう想像以上にギリギリのギチギチ!全然余裕のない配線になっていました。
スイッチからパイロットランプもギチギチ。あぁ、なんで切ってしまったんだ!
リュックの中には試験前に工具ボックスに10センチのVVFケーブルを見つけ、危うく不正持ち込みになると思って入れたケーブルがあった。
いやいや、不正はイカン!
でも短すぎる!
何度そのケーブルを取り出して渡り線に使おうか葛藤をした。
葛藤している間も試験時間は進んでいく。
リングスリーブの圧着も、差し込みコネクタを問題なくできている。
ただ、渡り線が短いのだ!
もう仕方がないので、最低限欠陥判定にならないようにチェックすることにした。
もうここまで来たら神頼みだが、できることはしておくしかない、と覚悟を決めた。
差し込み式のコンセントなどでの欠陥判定は以下。
8-8.電線を引っ張って外れるもの
8-9.心線が差込口から 2mm 以上露出したもの ただし,引掛シーリングローゼットにあっては,1mm 以上露出したもの
コンセントやスイッチの横から見て心線は見えていない。差し込みも奥まで入っているので簡単には抜けない状態にはできていた。
欠陥判定の中には渡り線の短さに関する記述はない。できることはすべてやった。
後は結果を待つだけになった。
必要以上にチェックをしてみた
渡り線の短さが起こした精神的なダメージを受けていても、時間は待ってくれない。ここは第二種電気工事士の試験室。
精神と時の部屋ではない。
できる限りのリカバリーはした。
あとは他にミスが無いか確認しておくべきだ。
気持ちを切り替えて確認をしていく。
リングスリーブのサイズは間違いないか、刻印はあっているか。
先端は5mm以下に切っているか。根本側の心線は10mm以下か。
ランプレセプタクルの結線は間違いないか。ネジに被覆は挟まっていないか。
心線の巻き付けは適切か。蓋は締まりそうか(試験では蓋は配布されないので、ケーブルが長すぎないかで判断)
差し込みコネクタの差し込みは十分か。心線の先端は見えているか。
根本の心線は出てないか。
ドライバーを使って指差確認をする。
大丈夫だ。見える限りミスはない。
なおさら渡り線のミスが悔やまれる。
まとめ
前日に振り返っていた安心感が有り作業はスムーズにできましたが、逆に慢心を生んでしまいました。
良し悪しかな?と思う部分もありましたが、心の余裕と慢心は履きちがえては行けないということを心に刻みました。
合格することができましたが、今でもミスした時のヒヤヒヤ感は忘れられません。
筆記試験と違って自己採点ができないので合格発表までの1ヶ月、ずっとミスが心の中に残っていました。
実技試験の合格発表を確認し、合格してしていたときには、本当にガッツポーズをして喜びました。
本当に試験当日には何が起こるかわかりません。
事前の準備はしっかりしていても緊張感を持って試験には取り組まないといけません。
私のミスを参考に皆さんの試験のときには同じことを起こさないようにしてください。
実技試験の当日の流れを以下の記事でまとめています。試験前に確認しておいてください。
[sitecard subtitle=関連記事 url=https://dokugaku-denko2.info/item-for-practical-exam/ target=]
コメント