知ると楽しい【がいし】の世界

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筆記試験問題にも出題される工事施工方法にがいし(碍子)引き工事ですが、昭和初期頃に建てられた古い住宅などでは多く使われていたようですが、近年は電線管による施工がほとんどのため見られなくなってきました。(稀に古民家風カフェなどで施工されていることがありますので見かけたことはあるかもしれません。)

今回は「がいし」の世界について記事にしてみたいと思います。

自己紹介
  • 本業は全く関係ないデスクワークをしている会社員
  • 完全独学で第二種電気工事士に一発合格

これから受験する方に向けて筆記試験・実技試験の実践情報、試験に関する情報やスケジュールをお知らせしています。

ひまるです
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「がいし」は磁器でできている

まず「がいし」とは、電線を支柱などに固定する磁器(または合成樹脂)製の器具のことです。特に磁器製の碍子が日本国内ではよく使われていますが、電気絶縁性能が高く強度にも優れた磁器は雨風にさらされても壊れにくいため利用されているそうです。

ちなみに陶器では強度の問題や水分を含んでしまい絶縁性に問題が起きるのでで、「がいし」としては使えないそうです。磁器は石英を主成分とするため強度も高い絶縁体なのです。

身近にある絶縁体といえばゴム、ビニール、紙、セラミック、ガラスなどがあります。意外に空気も絶縁体なのですが、屋外や長い時間使い続けるには強度の面からも個体で硬い物質が利用しやすいですし、焼き物は大量生産しやすいという利点からも磁器が「がいし」に利用されて来たのかもしれません。

よく見かける「がいし」

玉碍子

電柱の支線(支えるために設置されるワイヤー)によくついています。潰れた卵みたいな形をしています。

香蘭社 特大玉碍子 (適応支線サイズ 45sq〜70sq) 特大サイズ G-TAM-LL
香蘭社

引留碍子

屋外から電線を引き込む際に建造物に金具を使い固定して利用します。よく家の軒下や電柱についています。

樹脂製の平型引留碍子

最近では平型のほうがよく使われているみたいですが、耐久性の高い樹脂性の碍子も販売されています。

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ノップ碍子

主に屋内で使用されていた「がいし」で、「がいし」自体を柱などに固定し、くぼんだ部分に電線を添え固定します。アンティーク感は醸し出せそうです。

「がいし」を製造している会社

たくさんの会社さんが「がいし」を製造されていますが、有名な製造会社さんを調べてみました。

日本ガイシ

日本ガイシ

1919年創業の名古屋に本社がある会社で、セラミックス技術をもちいて高圧の電流にも耐えられる大型の送電線碍子を生産している会社です。テレビCMも時々目にするので知名度はあるかと思います。

香蘭社

香蘭社

一般的には食器で有名な佐賀にある有田焼の会社ですが、日本で最初に磁器製碍子を制造された会社は香蘭社です。現在でも制造を続けていて、佐賀と岐阜に向上があるそうです。以前、NHKのブラタモリで佐賀を巡った回でタモリさんが碍子工場を見学されていました。

「がいし」好きの有名人

みうらじゅんさん

趣味がマニアックで多いことで有名ですが、以前テレビ番組で「がいし」について語っているのを見たことがあります。位当時はいくつかコレクションも披露されていました。私が初めて「がいし」という言葉を知ったのもその時でした。

タモリさん

知識の幅が広いタモリさんですが、前述の香蘭社のところでも書きましたが、撮影で工場見学をされている際にとても楽しそうに「がいし」を作っているところを見られていました。実際に玉碍子を作る工程を体験されていたときの表情は笑顔が素敵でした。

電気工事士試験に出る「がいし」問題

さてここまで「がいし」に関することを書きましたが、第二種電気工事士試験に関する「がいし」の情報をまとめました

屋外に関する「碍子」はほとんど出ません。

第二種電気工事士は低圧屋内が主な作業範囲なので、屋外のがいしに関する出題はありません。また最近では屋内のがいし引き工事はほとんど実施されていません。ですので筆記試験でもほとんど取り上げられる事がありません。あるとすれば写真問題で引留碍子のことを問われるか、施工時のがいし引き工事の条件問題があげられます。いづれにしろ知識として知っておくべきですので忘れずに勉強してください。

実技試験では「がいし」に関するものは出ません。

第二種電気工事士技能試験候補題13問の中には「がいし」に関するもの全くはありません

近年の施工方式にそって技能試験は問題が作られていますので、あまり施工しないがいし引き工事は出題されなくなりました。ただし、がいし引きの方法は知識として知っておくべきではあります。

参考動画:がいし引き工事

試験には出ませんが引留碍子工事は稀に現場で実施されるので施工方法を知っておいた方が良いかもしれません。


まとめ

漢字の【碍】の意味は「遮(さえぎ)る」や「妨(さまた)げる」だそうです。絶縁体なので電気を遮る絶縁体を表現していますね。硝子(ガラス)にも漢字が似ているのも磁器の性質を考えると分かりますね。

以下余談ですが、自動車やバイクなどでスパークプラグを交換された事があるかたもいらっしゃるかと思います。有名な商品でNGKスパークプラグがありますが、もともと日本ガイシのスパークプラグ事業から独立した日本特殊陶業が作っていて、商標をそのまま使っているのです。スパークプラグも上半分は絶縁体ですね〜。さらに日本ガイシのグループ会社にはキッチンや浴室設備のTOTO、食器のノリタケなど磁器関連の会社があり、世界最大のセラミックスカンパニーだそうです。

面白いですね。

試験で暗記するだけよりもサイドストーリーとして情報を知っておくと記憶への定着もできるようになってきます。ぜひ試験情報の参考として覚えておいてくださいね。

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