電ドラボールは2018年に発売された商品で、簡単に言うとドライバーサイズの電動ドライバーです。
今回、購入したのはベッセル(Vessel)の電動ドリルドライバーです。
一時期品薄状態になり、価格も定価の倍以上で販売されていたこともある大人気商品です。
メーカー側も生産体制を見直したようなので安定供給されるようになってきました。
この記事はこんな方におすすめします。
- 新しいドライバーを買おうと思ってるけど良いの?悪いの?
- 電ドラボールの実際の使い心地を知りたい
- 買うべきか買わないべきか判断したい
今回は電ドラボールのレビューをしますので、購入の参考にしてください。
電ドラボールとは
べッセル社から販売されているドライバーで、一言で言えば電動でネジ締めをしてくれるドライバーです。
電ドラ=電動ドライバーの略
ボール=ボールグリップドライバーのこと
電ドラは分かるとして、ボールグリップドライバーとは何でしょう?
ボールグリップドライバーとは、グリップ部分が大きいボール状の球体になっていて、締め付けの時に力が入りやすい形状になっているドライバーです。
ベッセルのドライバーは現場ではよく使われているので目にする機会もたくさんあると思います。
絶縁ドライバーやラチェットドライバーもあり、長さの違いやサイズの違いもたくさんあるので買っておくと良いでしょう。
今回紹介する電ドラボールは電動道具ですが、一般的なガングリップ型ではなく、ドライバー型の電動工具なので、見た感じはちょっと太くて大きなドライバーです。
発売元はVESSEL(ベッセル)
ベッセルはドライバーやビットなどを作っている大阪の工具メーカーです。ドライバーではよく目にするボールドライバーを作っているメーカーです。
私もボールグリップドライバーをかれこれ20年ほど使っていました。
流石にドライバーの先端が摩耗してきましたので、買い換えようかなぁと思って試しに電ドラボールを買ってみました。
付属品
- 本体
- USBケーブル(マイクロUSB)micro B ピン
- USBコンセント
- ビット(5本)
- 取扱説明書
今回はビットが5本付きのものを購入しましたが、ビットか一本だけのモデルもあります。
ビットの本数が少ないので少し金額が安いです。
各種サイズ
本体サイズ
本体(ビットをつけないドライバーのグリップ)は長さ140mm、ボール部分の直径が45mmです。
先端とグリップ部分の赤いメタルが特徴的です。
赤いプラスチック部分が回転スイッチになっています。スイッチの根元側には充電ステータスランプとUSB接続口があります。
スイッチの先端側にはLEDランプが付いていて、締め付け時にビット側を照らしてくれます。
一般的なサイズのボールグリップドライバーと比較するとちょっと大きめです。
付属のドリルビット
長さ100mmのビットが5本付いています。黄色い部分は被覆チューブがついています。
端子台などを傷つけないように配慮されたものです。
付属しているビットの番数は
- プラス1番
- プラス2番 2本
- プラス3番
- マイナス 先端幅6ミリ
2番のビットはよく使うので2本入っているようです。
被覆付きのビットだけでも別で購入することができます。
取り付け部分は一般的なビットと同じ6.35mmの六角軸です。他のビットと同じ六角軸ということは手持ちのビットも使えます。
手持ちのショートビットをつけてみました。そこはかとなく漂う、コレジャナイ感、、、、
ショートビットも使えないわけでは無いので、用途に応じて長いビット、短いビットを使い分けても良いでしょう。
USB充電ケーブル
長さ1mのmicroUSBケーブルがついています。充電に使います。一般的なケーブルなので市販の他のUSBケーブルでも充電できます。
専用ACアダプター
充電用のUSBケーブルをコンセントに接続するためのACアダプターが付属しています。
出力は5V1Aなので、一般的なACアダプターアダプターと同じです。
もちろん他の市販のACアダプターも使えます。
ドライバー自体が急速充電には対応していないので、2Aのものは使わず1A出力のものを使ってください。
機能紹介
電ドラボールの機能を調査して使い心地などの参考にしてみてください。
ドリルとしての機能
まずは締め付けテストです。
桐集成材の端材に太さ3.5mm・長さ32mmの木ネジを下穴無しで打ち込んでみました。
充電の状況にもよるかと思いますが、思いの外スルスルとネジは木材に入っていきました。8割ほど進んだところでドリルが回らなくなったので、そのままドライバーとしてねじ込んでいくと問題なく最後まで締め付けできました。
流石に硬い木材に長いコーススレッドを打ち込むほどの力はないですが、短いネジの締め付けぐらいなら問題なく使えます。
トルクのカタログスペック2N.mです。
マキタのペンパクトドライバーTD022DSHXが締め付けトルク25N・mなので、力としては弱い部類です。
先端を照らすLEDライト
回転スイッチを入れるとLEDが発光します。
発光時間は回転スイッチを入れている間と、離してから5秒間です。回転中の先端がみやすくなります。
壁の開口部などにネジ止めするときにネジ穴が見やすくなります。思いの外明るい印象でした。
USB充電口
充電のための接続口には蓋(保護キャップ)があり、充電時のみ開いてUSBケーブルを差し込んで充電します。
私が買ったものだけかもしれませんが、蓋が閉まりにくいのであまりきちんと締まりません。
また公式サイトで蓋の破損に関する注意が案内されています。開く際には開く方向に注意してください。
つかいやすさ
まずサイズ感が少し大きなボールドライバーなので、取り回しがしやすいのが特徴です。
ガングリップ型では大きすぎるし、ペンインパクトドライバーでは入れにくい細いところへのネジ締め作業にはとても便利です。
また、電動として使わなくてもドライバーとして手締めができるので片手で握りを変えずに手締めできるのは作業が効率的に進められるので良いです。
専用ケースはないですが、収納するときにはビットを取外せば小さくなるので困ることはありません。
また、腰袋のドライバーホルダーにも入る太さなので今までの収納で使えます。
重さは160gありますが、長時間持っていてもそこまで重くないのでドライバー代わりにするには何も問題ありません。
手袋つけていても操作できるぐらいのスイッチの溝の深さは確保してありますので、作業していても問題ありません。手袋の厚さによっては使いにくいと感じてしまうかもしれません。
もっとスイッチが操作しやすいように飛び出ていても良いかな?とおもいましたが、スイッチの誤作動を防止できるのであればこの深さでも問題ないと思います。
使いにくさ、不安
まずいちばん気になったのがUSB充口の保護キャップがうまくはまらないことです。
電動工具なので水場で使わないとは思いますが、ホコリはどうしても作業していると起きるのでこういう保護キャップはしっかり締めておきたいところですが、しっかりと閉まらないので作業中に取れたりしてしまいそうな印象です。
バッテリーの持ち、容量
充電時間が約1時間で連続使用時間が約40分なので毎日現場で使うには時間が短いと感じてしまうかもしれません。
バッテリーの容量は体積に比例する部分もありますので、この電ドラボールのサイズでは大容量のバッテリーは望めません。
バッテリーの寿命
本体にリチウムイオンバッテリーを内蔵しているので繰り返し使っているとバッテリーが消耗してきます。
付属の取扱説明書では500回の充電が可能と書いてあります。
500回をどれくらいのペースで使い切るかは使い方次第だと思いますが毎日充電して2年弱。
そんなに激しく使わなければ1週間に1回の充電で約10年使える計算になります。家庭用でつかうなら長くは使えます。
いまのところバッテリーの交換はできないので充電ができなくなったらちょっと大きめの重いドライバーになってしまします。
ビットは買い足さなければいけない
もともとビットをたくさん持っている方は問題ありませんが、ビットを持っていない方は追加で買う必要があります。
トルク調整機能は無い
締め付けの強さを調整するトルク調整機能はありません。なので締め付ける強さを調整できないので、途中までネジ締めしてから最終的には手締めして調整する使い方が良いでしょう。
オススメの使い方
マキタやパナソニックの電動ドリルドライバーと比較すればこちらのパワー不足は当然のことです。
一般家庭でちょっとしたネジ締めを手軽にしたい、家具の組み立てをもっと軽くやたりたい場合には非常によい道具だと思います。
同様な商品のボッシュやブラックアンドデッカーなどの海外製の小型電動ドライバーは少し大型のクリップとペングリップになるタイプで、少し大型で細かい作業のために先が細くなっている所の作業について電ドラボールのほうが使いやすいです。
また、電ドラボールであれば手締め可能なので通常のドライバーとしても使えます。
ただし付属するビットはさほど精度の高いものではないので、別途購入するのも良いと思います。
また、ビットホルダーは付属していないので5本セットを買った方は合わせて買うビットの保管がしやすくなるのでおすすめします。
使用時の注意
使用していく上で取り扱いにいくつかの注意があります。
防水・防塵ではないので大事に使う
バッテリー一体型なので本体に充電用のUSBポートがあります。ここには保護蓋があり、前述の通り閉まりにくいものもあります。
そこに水やホコリがはいってしまえば故障してしまい充電できない、最悪故障してしまいます。
丁寧に扱いましょう。
衝撃には強くないので大事につかう
ドライバーとはいえ中にモーターや電子回路が入っています。ノミのように打ち付けたり、グリップ部分を金槌の代わりにして叩いたりしたら壊れます。
丁寧に扱いましょう。
蓋のトレに注意
メーカーからの注意にもあるということはUSBの蓋の破損が多いということです。
丁寧に扱いましょう。
熱がでたら
長時間使っていたり連続で使っていると発熱する場合があります。そういうときはしばらく休ませてあげましょう。
まとめ
電ドラボールは家庭用にあるととても便利だと思いました。
しかし、ビットなどの付属品が必要なのでこれ一つで万能に何でもできるわけではありません。
あまり工具を持っていない人が買う場合にはたくさんのビットが付いた充電式ドライバーの方が便利だと思います。
また、電ドラボールがあれば実際の電気工事の現場でのインパクトドライバーやペンドライバーが要らなくなるわけではありません。
あくまで補助的な工具として使うのが良いでしょう。
ちなみに電気工事士試験では電動工具の使用は禁止されていますので、電ドラボールまたは類似商品は使えません。会場への持ち込みもやめておきましょう。
電気工事にオススメの講義は「HOZAN DK-28」です。
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